真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
重い瞼を上げようとしても、意識が途絶え途絶え、現実と夢の狭間を行き来する。
「寝ていいですよ?俺、帰りますから。それともベッドに運びましょうか?」
きっと、私はどの問いにも頷いてしまっていたんだろう。
少しの沈黙のあとで
ふわっと体が持ち上げられると、その少し後に、背中を柔らかい羽毛布団が包んだ。
「じゃあ…」
そう言った彼の首に両腕を回して、ぼやけた視界に彼が映る。
「これ以上はやばいと思うんですけど…」
亜星の声が少し震えてるのが分かる。
「…そうだね。
…ヤバイね」
言葉のあとに少しの沈黙。
どちらとなく、静かに唇が触れると
そこからは、もう迷いもなく求めあっていた。
何度も重なる唇に
体の熱さに、眩暈がおきる。
裸の胸が、恥らうこともなく、大きな鼓動で鳴くのを
彼は聞いているのだろうか…
時折「綺麗…」そう呟く声が脳まで痺れさせて
気付けば、朝の光の中、目を覚ましていた。
隣りにはもう彼の姿はなく
だけど、体に幾つも残る愛しあった跡が
朝から鼓動を…
加速させてく。
「やばい…。」
1番避けていた既婚者との関係。