真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「いらっしゃいませ…あっ…」
来るはずないと思っていたのだろうか
亜星は私が店に来たことに少し驚いた様子だった。
私だって、悩んだ。
でも、少し自分の気持ちを確認したかったんだ。
本当に
この胸の高鳴りが亜星への気持ちで
一時的なものじゃないのか。
でも、わからない。
彼の顔を見た途端
胸が張り裂けそうな切なさで
痛い…。
「なによその顔。
私は客だよ。来たらダメなの?」
「いや、そういうわけじゃないです。」
いつも通り、この狭い店内には私と彼の2人きり。
この店が1番繁盛するのは午前からお昼時だってことくらいは、オープンした頃からよく知ってる。