真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
明るい部屋で
素肌を重ねて、すべてさらけ出して見て欲しくて
見たくて
朝が来るまで何度も抱き合った。
時折、切なそうに名前を呼ばれては
君の中に私がいることを感じられる。
そんな気がするのに…
火照る体温を伝染しあっても
何度も何度も、繰り返し求めても、求められても
結局、私には君のことは何も見えなくて
何も知ることもできないまま
朝陽が昇るのを感じていた。
「柑奈さん、綺麗…」
「知ってる」
ようやく、ベッドに潜り込んだ頃、亜星は私の髪を優しく指で梳かしながら「おやすみ」と囁いた。
その言葉はまるで、お別れの挨拶のように感じられて
淋しいのに
行かないで。なんて可愛い言葉もでてこない。
「もう、行くのね…」
そんな気がして声をかけると