真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜

「うちの店は不定休だからね」

笑っておでこにキスをくれた。

私がゆっくり眠れるような

そんな優しい魔法のようなキス。


目が覚めたお昼頃にはやっぱり亜星の姿はなくて、久しぶりの休日だというのに

私はベランダから一日中

彼のお店を眺めていた。



肌を重ねても知ることができないなら…

知らないほうがいいことなのかもしれない。

私が、しまい込んでる思い出の欠片があるように

奥さんの事を語らない君にも

私に触れられたくない何かがあるのかもしれない。


無邪気に全てを欲しがれなくなったのは

私が大人になったから。なのかな…?

ねえ光太、あんたなら今の私を見て馬鹿だなって笑うのかな…?

それとも…。




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