真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
光太の友達から聞いた何気無い話しの中に
触れてはいけない話しが突然、私に舞い降りた。
まだ、付き合い初めで誰にも2人が交際していることは知られていなかったから…
彼の友人はなんの気なしにその話題をふったのか、それとも私達が極端に仲が良く見えて忠告のつもりで話しをしたのか…
「結婚、してるの?」
聞いた私に、彼は少しの沈黙のあと、小さく頷いた。
私はショックで、すぐに別れるという事も頭に浮かんだけど
その言葉を切り出せず、悩んで
悩んで…
気持ちを重ねれば重ねるほど
肌の温度を知れば知るほど
引き返せない思いと
引き返したい思いの狭間で
揺れて
泣いて
それでも、喧嘩はしなかった。
光太が会いに来てくれるから
離れられなかった。
離れたくなかった。
今、お互いを見つめている
その瞬間さえ、私を見ていてくれれば
あとはもう、どうでもよくなっていたのかもしれない。