真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「嫌な夢を見ていた気がする…」
目覚めの悪い朝は、薄暗くて、しとしと雨が降っていた。
こんな日は、隣で恋人を見つけて目を輝かせている職場の後輩も鬱陶しい。
「早く別れればいいのに」
そう嫌味を言った私に「好きなのに別れなきゃいけない意味が分からないですよ」
後輩は、そう応えた。
「あんた達、喧嘩もしなさそうね。単純で、脳天気そうなのが逆に羨ましいわ。」
「喧嘩?しますよ?
それに、長引くときもあるし」
「別れるに発展しないのが素晴らしいわ。」
「別れたくないから喧嘩をするんです」
「はっ?」
意味がわかんない。
嫌なところを見つけてしまったら、相手のそういうとこが、やけに目立って
腹がたって、離れたくなる
私を楽と言った亜星に対しても、もす少し、冷めた気分でいる。