真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「私たちは、お互いの嫌なとこも、合わないところも全部ひっくるめて、好きでいたいんです。
だから、そういう場面に出くわしたら…喧嘩をしながら、理解し合って、認め合っていきたいんです。
好きな人にプライドを高く持ちたくないですから。」
後輩の口からそんな言葉がでてくるなんて
意外だった。
ついこの間まで、田舎のしょんべん臭い小娘だった彼女が
1人の男によって、随分、変わったようだ…。
「楽しそうでなによりね」
「はいっ‼」
好きな相手にプライドを高く持たない。
そんな事、考えたこともなかった。
光太の時だって
淋しいも会いたいも、ましてや私を1番にして。なんて口が裂けても言わなかった。
強い女でいたいという思いもあったし
泣いてすがるような情けなさよりも
「またね」と尾を引かずに軽く言える女でいたかった。