真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
コンビニに寄ってお酒を買って
誰もいない真っ暗な公園は闇夜にひっそりと佇んていた。
「公園で花火なんて、学生以来だわ」
「そうなんですか?俺も久しぶりだけど、夏になるとやりたくなる。」
まだ、初夏だけどね…。
ロウソクをたてて、なんとなく始まった二人きりの花火。
色とりどりの火花が散るのを綺麗だと感じたのは初めてで思わず見惚れてしまった。
花火ってこんなに綺麗だったかな…?
若い頃は、ただ、みんなで集まって何かをするのが楽しくて
綺麗とか
そういうの、感じなかったかもしれない。
「柑奈さんって…」
寄り添いながら
亜星が口を開いた。
「なによ?」
「俺に対して何も聞かないですよね?」
なにを言いたいのか
なんとなく分かっているけれど、あえて気づかないフリをした。
「何が?」