真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜

そう切り出したからこそ、軽い話じゃないことは分かる。

少し考えたあと

私は仕方なく頷いた。

知りたいことと

知らなきゃいけないことは違う。


その話しの内容は私には面白くもないないことかもしれない。

聞かなきゃ良かったと思うことかもしれない。

でも、私は頷いた。


何知らなかった

亜星に触れる

そんな気がして…。


「俺、実は今日…家内の実家に行って来たんです。」

「…そう。」

「報告をしてきました。」

「へぇ…なんの?」

「好きな人ができたって」





「そう?それで、奥さんはなんて?」

「彼女は何も言いませんよ。

だって、

もう。

とっくに亡くなっているんですから」


「えっ…?」

一瞬、自分の耳を疑った。


そして、店がオープンした頃、亜星と奥さんが中良さそうに働いていた事が不意に蘇る。

「なんで…?」

聞いていいのか、そんなことも考えずに私は、亜星の横顔を見つめた。


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