真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜

大切な人を失った。




私はもしかしたら

どこかで、亜星に自分と同じ何かを感じていたのかもしれない。


「最後の線香花火、一緒にやりませんか?」

最後の2本に火をつけて、1本を受け取った。


「好きだからどうして欲しいとかじゃないんです。


彼女を好きになって、結婚して、彼女を失って

俺はずっと彼女だけを愛していくと決めて

最後の最後までそれを貫き通したい気持ちだった。」


「そう…」

「でも、違った。

人を好きになるのに、あの人好きかな?とか、嫌いかな?なんて頭で考えるものじゃなかったんですよね。


人を好きだと感じるのは心なんだって

柑奈さんに会って思い出しました。」


恋は心でするものか…


もしかしたら、私の心は光太と離れてからずっと、不感症だったのかもしれない。


そう…亜星に会うまで…。



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