真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
しゃくり泣いてる耳もとで。
「うん。分かったよ。大丈夫だよ。」
優しい声が
私をなだめるように囁きかける。
強く抱きしめられて
亜星の匂いを感じて
ようやく分かった。
私が亜星に惹かれたのは
理屈で説明できない
運命があったからなんだって。
「運命なんて迷信だよ」
いつかの私が誰かに言った言葉を思い出しながら
泣きつかれた私は
亜星の後ろで優しく頬笑む光太の影を見ながら
瞼を閉じた。