真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜

「先輩、またプロポーズ断っちゃたんですか…?」

会社の後輩の千代子、通称ちょこ。が、不思議そうに聞いていた。

ちょこは私と性格が180度違う、純粋で天然なおバカ娘だ。


でも、私は誰にもこういう話をしないのに、なぜかいつもちょこの顔を見るとポロっとそんな話題をこぼしちゃう。


きっとこの子が私にあれやこれやとアドバイスをしたりしないからかもしれない。


「あんたは幸せそうね…」

ため息混じりに言うと幸せそうな、満ちたりた笑顔を浮かべる。


本当、分かりやすい子…。


「早く寿退社でもすれば?」

「しませんよ。私、社長に会えるこの職場が好きなんです」

惚気話しをする彼女の足をカウンターで見えないことを良いことに蹴飛ばすと

痛いと小さな声を漏らしながら、堪える姿が面白い。


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