真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
私は光太を愛していた。
幼さ故に、心に素直になれずにあなたを失った。
愛していた気持ちを封じ込めて
あなたを失った事を天罰だと言って
認めない事で、自尊心を守って
過去の思い出に蓋をした。
そう。
私は愛していた。
全部捨てる覚悟であなたを愛していた。
認めるよ。
格好悪くても
情けなくても
それは、変えることのできない真実だから…。
「ごめんね、光太。」
夢の中でも泣いていたのか、目を覚ますと心配そうに私を見る亜星がいた。
「大丈夫?」そう聞かれて、亜星を引き止めた事を思い出し、罪悪感に胸が痛くなる。
「ごめんね…奥さんの大事な用事だったのに…」
きまずくて、顔を見れない私の顎をクイッと持ち上げて、無理やり視線を合わせる。