真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜


私は光太を愛していた。


幼さ故に、心に素直になれずにあなたを失った。


愛していた気持ちを封じ込めて

あなたを失った事を天罰だと言って

認めない事で、自尊心を守って

過去の思い出に蓋をした。



そう。

私は愛していた。

全部捨てる覚悟であなたを愛していた。



認めるよ。

格好悪くても

情けなくても

それは、変えることのできない真実だから…。



「ごめんね、光太。」

夢の中でも泣いていたのか、目を覚ますと心配そうに私を見る亜星がいた。


「大丈夫?」そう聞かれて、亜星を引き止めた事を思い出し、罪悪感に胸が痛くなる。


「ごめんね…奥さんの大事な用事だったのに…」

きまずくて、顔を見れない私の顎をクイッと持ち上げて、無理やり視線を合わせる。

< 70 / 104 >

この作品をシェア

pagetop