真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜


「何か飲み物買ってくる」お財布を持って亜星が部屋を出ていくと


静まり返った部屋で

1人、ため息をついた。

それは、良い意味での疲れからだったのかもしれない。


「行かないで」思いの丈を言ったあとは

申し訳ないことをした罪悪感と

言いたい事を言った清々しさで、意外にも心は晴れていた。


気持ちをさらけだすのも…悪くないかな?と…少しだけ思えた。



眠る瞬間に見た錯覚。

頬笑む光太の幻は…私の願望が生み出した姿だったんだろう…。


私が

私の弱さと向き合うことで、ようやく光太と繋がった。

そんな気がした。



< 73 / 104 >

この作品をシェア

pagetop