真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「さよならより、バイバイのほうがいいのかな?」
聞いた私に、光太は振り返って頬笑む。
「おかしな事を言うなよ。
またね。でいいんだ。
妻のことを手助けしなきゃいけないのは夫の義務だろ?
でも、誰かの夫の前に俺は1人の男なんだよ。
柑奈のことが好きな…ね?」
「分かったよ。さっさと行って、1秒でも早くまた光太に会いたいな。」
行ってらっしゃいのキスをして
笑顔でいなくなる彼に、私も笑顔で手を振った。
私を1番にして…なんて言えない。
行かないでなんて言えない…。
あの笑顔を最後に
光太はこの世を去った。
誰が決めた運命だったのか
私たちへの天罰だったのか…
その日の夕方
光太と共通の仲の良い友人からの連絡で
私は一気に地獄へ落とされた。