真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「柑奈…?」
声をかけられて、不意に我に返ると
コンビニの袋を手にぶら下げて、私を見つめる亜星がいた。
「おかえり」何を考えていたのか悟られないように笑うと
「また大人ぶってる」と亜星がくすくす笑う。
亜星は、私の心を見抜いてしまう能力でもあるのだろうか…
お手上げだ。
「まだ、体調悪い?」
「平気だよ」
「それなら、せっかくだし、どこか行かない?俺、店も休みにしちゃってるし」
「行くって…どこへ?」
キョトンと首を傾げた私に
彼は頬笑むだけで、何も言わずに私の手を引いた。