真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
それでも愛してる。
涙が零れてきて喉が熱い。
その後の言葉を言い出せない私に亜星はそっと優しいキスをくれた。
「少しずつでいいよ。
今は縁日を楽しもう?」
涙を拭って頷く。
「そうだね」
綿あめに焼きそば、金魚すくいに射的
生まれて初めて来た縁日に私は思わず、年甲斐もなくわくわくしてしまう。
「柑奈、嬉しそう」
「実は、幼い頃から父が忙しい人だったから、こういうのは初めてで…」
「学生の頃は?」
「子供っぽいから嫌で行かなかったわ」
「柑奈らしい」
くすくす笑いながら「なんでも買ってあげる」と言うから
私は甘えて焼きそばに、フランクフルト、かき氷にりんご飴を両手にもってうきうき。