真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
どれもこれも、お店に行けば売ってるけれど
「縁日で食べるから美味しいのね」と思わず口にしたら
「はしゃいで、迷子にならないでね」とその手をいっそう強く握りしめる。
「金魚すくいがやってみたいけど…」
家にはもって帰れないわね…
「いいよ。俺の実家で飼ってもらえばいいよ。」
小さい頃、テレビで金魚すくいを見たことがある。
こんなの、とても簡単なものだわ…と思っていたのに…
「このポイ、おかしいわ」
金魚を一匹も獲れなかった私は唇を尖らせた。
「下手だな。俺にやらせてみなよ」
そう言って、店主からポイを受け取った亜星は、ひょいひょいと、3匹の赤金魚を簡単に掬ってしまった。
「どう?」ドヤ顔の亜星が子供みたい。