真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜

その訃報を知ったのはお互い共通の友人からの電話で


ニュースでも大々的にやっていた。


友人数名と一緒に、自宅に戻った彼に会いに行った。


その時では不思議なくらい冷静だった。

訃報を知らされても

ニュースをみても

私には遠い世界の出来事のように、現実味がなくて


光太が亡くなるなんて、そんな非、現実的なことが起こり得るわけがないと思っていた。

…そう信じていたんだ。


彼に会いに行った時

当たり前だけど

奥さんがそこには居て、光太に寄り添うようにただ、静かに泣いていた。


そして、冷たい人形のようになってしまった光太の顔をみた瞬間

彼が死んでしまったことが重くのし掛かって

同時に、次から次へと光太との思い出が走馬灯のように頭の中に

今、目の前で映像をみるように

流れて行く



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