真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
目の前に眠る光太を見てもまだ信じられない…
いや、信じたくない気持ちが現実から私を遠ざけているような気がしたけど
静かに泣きながら「光太…友達来てくれて良かったね」と呟いた奥さんの一言が
私を現実へと突き落とした。
光太に寄り添って泣いている女性が改めて
光太の奥さんだと思い知った。
初めて光太と出会ったこと
再開したこと
囁きあった愛の言葉さえ
何もかも
それが嘘、偽りの世界だった。
光太にはこうして、みんなの前で泣ける立場の女性がいる。
私達がしてきたことの罪を思い知った。
あの時光太に行かないでと言わなくて良かった…のかもしれない。