真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
こみあげてくる涙さえ罪のような気がして
奥歯をかみしめて
両手に爪を食い込ませて
熱い喉を
目頭に力を入れて
涙を堪えた。
目の前が真っ白になるような気がした。
愛してはいけない者同士が愛しあった。
これは…
天罰だったのかもしれない。
誰かを不幸にしながら
愛し合うことをやめなかった私達への…
だから私は
光太への気持ちに蓋をした。
思い出さえも心の奥底に封じ込めて
愛していた。その事実を失したことにしたかったんだ…。
なかったことにしたかった。
そうすることで、自分を守り続けて来た。
でもやっぱり私は…
光太を…
それでも愛していた。
許されなくても
愛していた。