恋愛はシナリオ通りに進まない。
『どーするの。』
「う゛っー………」
頭を抱えて考えるも、あえなく撃沈。
マジで、どうしよう………
『あ、陽太お帰り。』
『ただいまー。』
やべっ、朝練から帰ってきちゃった…
「お、おう、お帰り。」
『うん。誠ただいまっ。』
ぬぉ………頭撫でられた…
………前までは嫌がってたけど、今は…うーん………
嫌じゃないけど………なんだ、この感じ………変なの。
『誠だいじょーぶ?』
「ん、平気。」
こいつは一回心配するとズルズル引きずっていくタイプだから、
なるべく笑顔でいないとな…。
『本当に?』
「平気だっつーの。」
わしゃわしゃと陽太のふわふわな髪の毛を掻き乱す。
陽太は口では嫌と言っても、最後には心底嬉しそうな顔をする。
ホント、可愛くてたまんないな。