ワンコorオオカミですか!?
脱力したら、何だかお腹好いちゃった。
たらこクリームパスタと、エビのトマトソースパスタを乗せ、サラダとスープも乗せて一人席へ戻った。
景色が見える窓に、自分の姿が浮かび、思わず手が止まる。
可愛いオフィス服に、オシャレなランチ。
なのに眼鏡でダサいその顔は、この空間の何処にも馴染めず浮いている気がする。
やっぱり来ない方が良かったのかも。
「あ、やだ。そんなに食べたらメインのデザートが入らないよ」
「本当! デザートだけでも食べにくる価値があるんだから」
「おい、カルボナーラだ。皿を出せ」
お皿に山盛りでパスタを盛って来た美国部長が私たちのお皿に少しずつ分けてくれた。
女性しか居ないこの空間で異質なはずなのに、美国部長はそんな雰囲気を微塵も出さない。
それどころか、キラキラとした王子様オーラで私より溶け込んでいた。
「美国部長も座って食べましょうよ」
「俺は、デザートを取って来る」
そう言うと、鋭い双眸でデザートコーナーに行ってしまった。
絶対甘党だ。
あの人、カルボナーラ少しに後は全部デザート食べる気だ。
冷たくて怖くて――嫌な人。
そんな美国笙の本性は未だよく分からない。