ワンコorオオカミですか!?
正反対の私。
確かに紺野さんとは、スタイルから顔から生まれ持ったオーラから、いや下手したら同じ次元で生活したらいけないぐらいの差はある。
「おい、お前の失恋話は聞き飽きた。そんなの仕事中にするな」

としみじみ思ってたら、来てしまいました。美国笙が。


「お前の部長、輸入しないと手に入らない床材の取引でバタバタするらしい。俺にこの企画を押しつけて、取引先へ飛び出して行ったぞ」
「えええ!?」

偉そうに言うと、私と紺野さんの目の前に座って、紺野さんのiPadのギャラリーをスライドさせていく。
何であんなにしかめっ面なんだろう。

ってか、今、紺野さんの失恋話って言ってたけどどういう意味だったんだろ。

「あの、眼鏡の事とか今日の事を思うと、私は正直、貴方とチームを組むのは」
「ああ? 文句あるならデザインだけ置いて出て行け。この素人が!」
「素人なんかじゃなありません。酷すぎますよ」

深く大げさに溜息を吐いた美国部長は、面倒くさそうに私を見る。
そして指先で会議室の長机をトントンと叩きながら呆れた様子で私を見ていた。


< 104 / 233 >

この作品をシェア

pagetop