ワンコorオオカミですか！？

とかなんとか偉そうに言ってしまってから、自分の命の危険を察した。
もしかして、此処で殺人事件が起こるかもしれない。

美国部長の顔が険しく、オーラがドス黒くなっていき、とうとう私たちの回りの座席には誰も人が居なくなってしまった。

さよなら、私。
短い一生だった。


だけど美国部長は静かなどす黒いオーラで嘆息しただけだった。

「俺がガキの頃に住んでいたマンションが、まあ所謂、タワーマンションでペットは当然禁止で、そのころから俺の頭の中では猫が住める機能性重視にデザインしか考えたことはない」
「どれだけ猫が好きなんですか」
子供のころから既に、そんな猫好きだったなんて。
「だが、だからこそ運命の相手が現れるまでじっくり探すぞ。妥協はしない、生まれてきた猫は全て可愛いが――生涯を共にする猫はたった一匹だ」

重い。この人結構重い人だと思います！
大丈夫なのかな。ちょっと怖い。

「小学生のころ、親の目を盗んで部屋で数日飼っていた猫がいる。あいつが生涯の猫になれば良かったのだが」
「ばれちゃったんですね。私がおじいちゃんに５万もする油絵の道具セットを買ってもらった時も、返してきなさいって怒られましたよー」

「お前の話はどうでもいい！　猫の話だろーが！」