ワンコorオオカミですか！？

「良い子だから――言え。俺の運命の相手だぞ」
「し、知りません」
「そうか。俺がお前をどうして毛嫌いするか――じっくり知りたいのなら教えてやるぞ。何処へ行くか？」
ひいいい。
何処へ連れて行こうとしているの。
狼君の言うとおり、もう美国部長は見た瞬間に悲鳴を上げて逃げなきゃいけないような相手だ。
このまま無事に生きて帰れたら。

あの夜――。

あの夜からなんだ。

確かに、サンタの入っていた段ボールには血がべったり付着していたけど。

その日の朝、エレベーターイチャイチャ事件で、美国部長は何か言っていた気がする。

『その首筋の爪痕ってどうしたの？』
『これ？　なかなか懐かない美人にキスしようとしただけで引っ掻かれた。キミみたいに素直になれば、あの子も可愛いのにな』



てっきり女性の事かと思ってたのに、もしかしてサンタの事？

「あの、でも私もサンタとは運命を感じたんです！」