ワンコorオオカミですか!?
後輩に心配ばかりかけてしまう私は、きっといつか狼君の悪い噂の中心になってしまうかもしれない。
もう限界だ。狼君を傷つけてしまえば本当に私は最低で――価値の無い人間になってしまう。
人に迷惑をかけるより、人の為に食物を量産する農業に転職した方が、きっといい。
「よっと」
ガシャンとベランダの方角から音がする。
「お邪魔しますね」
ベランダは――鍵を締め忘れていた。
いや、いくら狼君でもそこから来るはずないと思っていたんだけど。
「狼君?」
「靴は脱ぎましたよ」
「ど……どうやって登って来たの?」
ここ、三階なんですが。
「壁に攀じ登って、木に飛び乗って。ほら、葉っぱが乗ってるじゃん」
にこにことそう答える狼君は、そのままテーブルにケーキの箱とチョコの袋を置く。
そしてパソコン画面を見たので慌てて閉じる。
「今の……」
「へへ。何でもない」
「……」
疑わしい目で此方を見るが、バットタイミングで辞表の後は名前だけ書けばいいお手本の印刷が終わる。
「どうせ、こんなことだろうと思ってましたよ」
「わ」
そのプリントを手に取った狼君は、思い切り破くと丁寧に細かく千切りだす。
もう限界だ。狼君を傷つけてしまえば本当に私は最低で――価値の無い人間になってしまう。
人に迷惑をかけるより、人の為に食物を量産する農業に転職した方が、きっといい。
「よっと」
ガシャンとベランダの方角から音がする。
「お邪魔しますね」
ベランダは――鍵を締め忘れていた。
いや、いくら狼君でもそこから来るはずないと思っていたんだけど。
「狼君?」
「靴は脱ぎましたよ」
「ど……どうやって登って来たの?」
ここ、三階なんですが。
「壁に攀じ登って、木に飛び乗って。ほら、葉っぱが乗ってるじゃん」
にこにことそう答える狼君は、そのままテーブルにケーキの箱とチョコの袋を置く。
そしてパソコン画面を見たので慌てて閉じる。
「今の……」
「へへ。何でもない」
「……」
疑わしい目で此方を見るが、バットタイミングで辞表の後は名前だけ書けばいいお手本の印刷が終わる。
「どうせ、こんなことだろうと思ってましたよ」
「わ」
そのプリントを手に取った狼君は、思い切り破くと丁寧に細かく千切りだす。