ワンコorオオカミですか!?
疲れて安心しきって、俺の隣で先輩は眠ってしまった。

俺の気持ちなんて全く気付かずに、好き勝手振り回していたくせに、急に俺の腕の中に飛び込んでくれた。

ゆっくり考えてたんだ。
犬の様に可愛い後輩として近づいて、完全に気を許して貰ったら、そのままなし崩しに同棲して、結婚まで持ち込もうかと。


確かに、女友達や付き合った女は何人もいるけど、俺が暴きたい、守りたいと思う相手は、色んなペンキをひっくり返して汚れも構わないと真っ直ぐに笑う先輩だけだよ。

先輩に変わってしまって欲しくなくて、でも傍に居たくて、この距離を望んでいたのは確かに俺だけど。


あの世界に自分が侵入すると思うと熱く燃えあがる衝動は止まらなかった。


でも先輩、まさかだと思うけど、キスぐらいで満足しないよね?

キスぐらいじゃ長年描いてきた先輩の世界観は壊れないと思うよ。

俺が壊したいのは、俺が先輩に刻み上げたいのは、キス以上の甘くて夢のような時間。

だから、キスしたぐらいで安心して横で眠らないで欲しい。

サンタと先輩があまりにも気持ちよさそうに眠るので、そのまま布団をかけて俺は寝室へ向かう。

さて、恋愛初心者の先輩を押し倒す手順を早急に考えなければいけない。

釘は熱いうちに打てと、言うから。




――や、生々しすぎた、これは。


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