ワンコorオオカミですか!?
その時な心が踊り出すような、甘く締め付けられるような衝動。


先輩と仕事ができるかもしれないと、背中に稲妻が落とされるような、叫びだしたい衝動。


先輩の作品は光影もないような、はっきりした色で塗る。


空を描けと言われて、雲も太陽もなく青いペンキをキャンパスに流しただけのように。



影さえも隠してしまうぐらい純粋で混じり気のない色。
その色の上に、君は上手に自分を作り上げた。

他人の話や会話になると窓を見て、空へ思いを馳せたり。
遠くの遠くに行こうとする。


会話が成立しない時もある。

でもそのちぐはぐも好きだった。



先輩の青なら青、赤なら赤と思っているその感情を俺が混ぜて壊して……それでも傍に居たいと願う。


俺はそんな掴めなかった貴方が好きだったからね。


さっき『先輩』と呼ぶと拗ねていたけれど、あれは正直ひやっとした。

俺が先輩を名前で呼ばなかったのは、先輩を名前で呼んで、その気持ちを先輩に伝わるのがまだ少しこわかったから。


まだ先輩の作品を思い躊躇していたんだ。


でもこれからは、もう躊躇しない。

『美冬』の世界に俺が新たに加わっただけで、

どれぐらい美冬のデザインは変わっていくのか興味があるから。
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