ワンコorオオカミですか!?
「サンタが私たちが仕事の間、一人ってちょっと可哀想だよね」
居心地悪そうに緊張していたくせに、焼きたてパンに直ぐに心を揺らした。
パンにバターを塗りつつ、足に纏わりつくサンタを撫でつつ美冬が言う。
今度はサンタが寂しがるから仕事に行きたくないと言いだしそうで大変だけど、俺もそうそこまで優しく甘やかすつもりもない。
「そうですね。じゃあ、専業主婦になりますか?」
「え?」
「フリーで家で仕事しても良いですよ。一緒に住むんですから」
「あ、いや、いっしょ……」
何を想像してるんだこの人、真っ赤になって可愛い過ぎるんだけど。
せめて頭の中が分かれば良いのに。
「早く食べなきゃ遅刻しちゃうよ」
そう誤魔化し、大口でパンに被り付く。
そんな飾らないところも、いつもならたっぷり塗るハチミツを忘れてバターだけで食べるぐらい慌てている所も可愛いと思う。
大口で食べて、喉をつまらせて牛乳で流し込むとすぐに化粧をしに風呂場へ走る。
ちょっとだけ新鮮過ぎて俺の心も浮足だってしまう。