ワンコorオオカミですか!?
「昨晩は、俺の電話に対応ありがとうございました。俺で良かったですね」

暇だったので、ないとは思うけど美国部長に大きな釘をさしておかなければ。

「ガキじゃないんですから、あんな対応して他の人に良い噂のネタを提供するのは止めて下さいね」
「あの女が慌てる電話の相手なんて、お前か親ぐらいだろ。――それより俺の噛み痕はちゃんと消えたか」

予想していた強い言葉は投げられず、逆に挑発的に笑われてしまった。

あの首筋のキスマークはムカついた。

すぐに消えそうだとは思っていたけれど、俺が付けたいと思っていた美冬の折れそうな白い首筋を汚しやがって。

殴っても殴り足りないぐらいだ。

「時間をかけて、俺の印で上書きしておきました」

「そうか。つまらんな。燃え上がって、今日もアイツは仕事を休めばいいのにと突いてやったのに、お前は我慢したってことか」

ん?

噂よりも拍子抜けというか、俺にももっと突っ掛かって来るかと思ったのに意外と普通の対応だ。

釘が必要ないのか。


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