ワンコorオオカミですか!?
乱暴に髪を引っ張ると美国部長は口づけを落とす。

そして、その口づけを落とした髪を、何故か私の唇に押し付けた。

「?」

何がしたかったのか首を傾げると、ちょっとだけ小さく口元だけ美国部長は微笑んだ。

「間接キスだ。今度はその唇にしてもいいか?」

「え、へ、あ、駄目です。ここは、――此処は狼君だけですから!」

間接?
何で?

てか、美国部長が私にキスをしたいのって?

「サンタを手に入れる為じゃなくてですか?」

良く分からずに両手を泡合わさせてそう尋ね得ると、皮肉そうな笑みを浮かべる。

「今はそう思うならそれでもいいがな」

バタンと荒々しく鼻の先でドアは乱暴に閉められた。
こんな風に、私ごとサンタを浚っても、私だけ締めだすんじゃないのかな。

そう思っているのに、美国部長の今の言動はよく理解できなかった。それでもなんだか、間接キスであっても他の人と触れてしまったことに罪悪感を感じてしまう。


「美冬!」

玄関でぼーっとしていたら、汗だくで息を切らした狼君が玄関を開けて飛び込んできた。

「狼君っ」
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