ワンコorオオカミですか!?
「それだけじゃないんです。応募者全員サービスの、猫の写真を応募してその写真のマグカップ貰える奴も! 私が可愛いって思っている写真と狼くんが可愛いって言ってる写真が違ってまして」

「えっと、痴話喧嘩ってことよね、つまり」


二人が分かりやすいぐらいがっかりしてしまった。

「痴話じゃないですよ。猫の事については、意見の相違があるとは、今後やっていくのは難しいです!」

「またお昼に聞いてあげるから」
「今日は、一階に開店したオープンカフェ行こうね」

二人は私を適当に宥めるとさっさと戻って行ってしまった。

酷過ぎる。こっちは本気で悩んでいるのに。

もう段ボールに入れてしまった荷物もある。

でも、今やっと始まった私たちにはやっぱり――ルームシェアは早過ぎたのかもしれない。


「しゃあ、止めるって言えばいいじゃない」


ばっさりと切り捨てたのは、紺野さんだった。

「どうせ、あっちから同棲したいって言って来たんでしょ? はっきり意思表示しとかないと、同棲なんて対等な意見の対立が出来ないと、ストレスなだけ。最初が肝心よ」

会議室に行くわよ、と迎えに来てくれた紺野さんがばっさりと切り捨てる。

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