ワンコorオオカミですか!?
「……紺野さんみたいに魅力的な人なら、そう言われたら相手も慌てて状況を柔和してくれるんですかね」
「そうね。馬鹿狼と、屑笙以外わね」
「……」


すごい言い方に言葉を失ってしまう。
相変わらずだけど、でも紺野さんにはちゃんと芯がわる。


望月さんから、こうして欲しい、とかここはこんな風にとかリクエストや変更部分を業者に発注したり、出向いて打ち合わせするのは殆ど紺野さんや美国部長がテキパキとこなしてくれていたけど!

でも私も、眼鏡だって治ったし今まで以上に頑張らないと――。

「美冬」

会議室の入り口に、仁王立ちの狼君が立っていた。

や、やっぱり前言撤回。今すぐ、家に帰って、サンタの肉球を触りたい。

会社で、下の名前で呼ぶのは止めて欲しいよ。

「今は、仕事中だから、話はできないからね!」

強気な私の発言に、ちょっとむっとしたけれど狼君は落ち付いて、小さく咳払いした。


「分かりました。先輩の要望通り猫グッズを全部持ってくるならば――いっそ、もう戸建購入します」

< 227 / 233 >

この作品をシェア

pagetop