ワンコorオオカミですか!?
「ええ!?」
「あら、素敵。流石、エースは違うわね」
「三階の物置部屋を改造して猫グッズ部屋にします。床が抜けるまで買わないでくださいね」

ちょっと、待って。
色々待って。

それって、もうルームシェアじゃなくて――なんかその、えええ!?


「くだらん話をしているな。戸建てのデザインなら俺がしてやろう。壁を猫の足跡柄にしてやるぞ」
「み、美国部長っ」


思わず美国部長の登場に息を飲む。
びっくりした。

あの夜以来、仕事以外で怒鳴られることも接近されることもないけれど、――あの夜の髪にキスした出来事は聞ける雰囲気も全くない。


今日も、ブランドスーツを着崩し、髪を気だるげに掻きあげながら王子様ルックスだ。

どんな表情しても睨んでくるから怖いし、仕事中に怒鳴られる方がまだマシだ。


「くだらん話だが、お前の家なら無料でデザインしてやる」
「有名デザイナーの手掛ける戸建て。素敵すぎる」

そんなオシャレな家、身分不相応で住みたくない。


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