ワンコorオオカミですか!?
「そんな顔で見ても、駄目だよ。狼君も彼女が出来たら私と一緒に住めば、連れて来にくいでしょ?」
「俺がこの状況で、先輩以外の女を彼女にすると思ってるんですか?」
この状況で?
それって今、ほとんど狼君にお世話をされてるこの状況?
「じゃあ、もう少し私が自立しなきゃ、狼君が彼女を作れないってこと?」
「うわー。何でそうなるんですか!? なんで俺の気持ちを気づかないんですか!?」
焦れた狼君は、ぽろりと吐いた自分の言葉を慌てて両手で覆った。
今、何か私に聞かれたらマズイことがあったのかな? すごく慌てている。
「私、デザインのことや、猫グッズを集めるぐらいしか興味無くて、――狼君の気持ちとか良く分からないから傷つけてたならごめんね? どうしたらいいの?」
「お願いだから、傷口を抉らないでください。俺は彼女を作れるような、肉食系ではないのでお願いだから一緒に住んで下さい」
きゅうんと、犬が甘えてくる鳴き声が聞こえてきた様な気がした。