ワンコorオオカミですか!?
「そこまで言うなら――でも私、家事とか料理とか」
「大丈夫です。最初は一緒にやって、徐々に分担しよ?」
「分かった」

嬉しそうにキッチンへ向かう狼君の背中には、ブンブンと振る尻尾が見える様な。

そんなに家事を分担できることや、私を朝起こしに行かなくてよくなる事が嬉しいのか疑問だ。

仕事だって、エリート部署に最年少で配属されるぐらい出来るし。

狼君に依頼したくても、忙しすぎて半年待ちだって聞いたこともある。

顔も、女子社員に可愛がられるぐらい恰好いいし、
性格も、甘え上手で真っ直ぐで、ちょっとガミガミ五月蠅いけどしっかりしているし。


なんでこんな狼君に彼女が出来ないのか、私は本当に疑問しかない。

「狼君て今流行りの草食系なのかな」
「あはは、俺、ロールキャベツですよ」

ロールキャベツ?
今、食べ物の話じゃなくて積極性を例えてたのに。

本当に恋愛に疎い狼君ったら、――何も分かってないんだから。

「先輩、じゃーん」




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