どこかにトモダチ転がってませんか?
歌うのが大好きな月ちゃん。
アイドルになりたいのは、家族皆を幸せにするためだ…と言ってました。

私と一つしか年が変わらないのに、すごくシッカリしてオトナみたいです。

大ちゃんのことも、お母さんのことも、私のことも、誰よりも真剣に考えた結果が、アイドルになること。
現実離れした夢を見ることで、月ちゃん自身が守られたかったのかもしれません。

そんな月ちゃんのためにも、私はあの家に帰れません。
心配のネタが減った方が、彼女のためにもなるのです。

(結局、家にも学校にも居場所がないんだ…)

皆に気を使わせてばかりで、役にも立たない。
そんなコドモっぽい自分が、一番嫌いです。
コドモはコドモでも、自分のことくらいできるコドモになりたいです。

シャンプーしながら、頭がスースーするな…と思いました。
メンソールという香料が入った、キツネさん用のだという事が、後から分かりました。

ボディソープも同じでした。
スースーとする香りは、鼻の通りを良くしてくれる代わりに、ツゥン…と鼻につきました。

泡を流した後、スゴくカラダがヒンヤリとして気持ち良かった。
でも、逆に少し寒い感じもしました。

お風呂から上がって、洗濯をしました。
どこへ干したらいいのか分からなくて、家の中を探検しました。

食事をした部屋の隣がキッチン。
キッチンから出ると廊下。向かい側にトイレとお風呂が並んでいて、その廊下の奥がお部屋になっていました。
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