どこかにトモダチ転がってませんか?
色を塗り続けるのには、ワケがありました。
自分が追い求める色が出ない…。
だからずっと塗り続ける……
『時間が幾らあっても足りませんよ⁉︎ 』
美術の先生は、そう言って私を脅しました。
納得いく色の出せない私が、ずっと塗り続けているのにシビレを切らしたらしいのです。
怖い顔をしていました。
もしかしたら、困った顔だったのかもしれません。
でも、私の目には「怖い顔」としてしか写らなかった。
気に入らない色のまま塗り続ける絵は見たくありませんでした。
返ってきたら、スグに破り捨ててました。
『どうして破るの!』
お母さんは怒りました。
月ちゃんや大ちゃんも不思議がりました。
『乃々果は絵が上手いのに…』
『よく描けてたのに…』
2人は『もったいない』と言ってくれました。
でも、私はちっとも、もったいなくありませんでした。
(満足のいかない絵を残す方が恥ずかしい…)
そんな気持ちを分かってくれたのはお父さんだけでした。
お父さんは会社の社長さんで、いつも忙しく仕事をしています。
お母さんはそんなお父さんを「ほさ」しています。
「ひしょ」と言うらしいです。
「ひしょ」としてのお母さんは有能で、仕事がとてもさばけるんだ…とお父さんは言いました。
『乃々果もそんなお母さんの血が流れてるんだ。きっと大物になれるぞ!』
漢字も読めない私のことを、そう言ってくれたのはお父さんだけです。
自分が追い求める色が出ない…。
だからずっと塗り続ける……
『時間が幾らあっても足りませんよ⁉︎ 』
美術の先生は、そう言って私を脅しました。
納得いく色の出せない私が、ずっと塗り続けているのにシビレを切らしたらしいのです。
怖い顔をしていました。
もしかしたら、困った顔だったのかもしれません。
でも、私の目には「怖い顔」としてしか写らなかった。
気に入らない色のまま塗り続ける絵は見たくありませんでした。
返ってきたら、スグに破り捨ててました。
『どうして破るの!』
お母さんは怒りました。
月ちゃんや大ちゃんも不思議がりました。
『乃々果は絵が上手いのに…』
『よく描けてたのに…』
2人は『もったいない』と言ってくれました。
でも、私はちっとも、もったいなくありませんでした。
(満足のいかない絵を残す方が恥ずかしい…)
そんな気持ちを分かってくれたのはお父さんだけでした。
お父さんは会社の社長さんで、いつも忙しく仕事をしています。
お母さんはそんなお父さんを「ほさ」しています。
「ひしょ」と言うらしいです。
「ひしょ」としてのお母さんは有能で、仕事がとてもさばけるんだ…とお父さんは言いました。
『乃々果もそんなお母さんの血が流れてるんだ。きっと大物になれるぞ!』
漢字も読めない私のことを、そう言ってくれたのはお父さんだけです。