優しい時刻
『どこにも居ませんけど…迷子の子は?』
そう言われた時、自分の耳を疑った。
だって集合ポストをパタンッパタンッと1つずつ、中を覗きながらイタズラして待ってるアオくんが見えてないんだもん。
『えっと……さっきまで居たんですけど。ごめんなさい』
深々と頭を下げた。
『保護されるなら、きちんとして頂かないと困ります!』
そう言い残し、岡さんは帰って行ったけど…迷惑市民とかブラックリストに載らないよね!?
今日、2回目の謝罪よ…トホホ
って、言うかアオくんはどうするの?!
頭を抱えて、しゃがみ込んでる私と同じ態勢のアオくんが笑っていた。
「どうもしないよ、ユウミちゃん」
えぇ―――ッ
ビックリして態勢が崩れた私を笑いながら、ピースサイン。