優しい時刻
「バイクそこに置いてて。あと、これお願い!」
大量に買い込んだ荷物を持たせて、部屋へ急ぐ。
「だいたい、男がいるのに何で俺が荷物持ちに」ぶつぶつ言う日樹をおいて歩く。
「いろいろあるの。早くおいで」
階段を行こうとしたら「エレベーター故障中!?」と驚く声が後ろから聞こえた。
「佑美の部屋って」
「3Fだよ。若いんだから文句言わないで歩く!」
「お前、人に荷物持たせてそんなこと言うか?なぁ、その男って何歳なんだ?」
「アオくん、私と14くらい離れてるのかな」
「はぁ? 14も! そんなヤツのどこがいいんだよ」
「えーカワイイんだから・・・はい、着いたよ」
さて、どうしたものかな。
見えないと、助かるんだけど。それだと私がアオくんと話せなくなるし・・・
「どうした?早く開けろよ。大丈夫、ちゃんと誤解がないように話すから」