優しい時刻
バスが空港へ向かう角を曲がろうとした時………




ピンポーンッ



降車ボタンを押し、運転手さんの横へ立った。

「そこ。その角で止めて下さい」

「え、でも」

「いいから止めて下さい!」

そう言うと彼の方を睨みつけた。






プ、プシューッ ガタン


ドアが開いたと同時に彼を外に押し出した。






「これ2人分です」

千円を入れて深々と頭を下げ、お客さんに向かって叫んだ。

「ご迷惑お掛けしました! 勝手に学祭の撮影させて頂いてスミマセンでした」

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