世界の中でただ1人ここにいる。【短編】
冷たく重い。

「…痛い。何で?」

空からは
肌に刺すような、大粒の雨。

私は笑った。


「バカみたい……。」


あの時も、こんな感じの
雨が降っていた。


父の誕生日

そして父の命日、

父の亡骸を納めた棺を、

母の手を引いて歩いたあの日も…


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