depend
♪〜♪〜
翔太の着信音。
頭では出ないと決めているのに、
指は通話ボタンを押す
「まいっ!今どこ!?」
いつもの、あたしが知っている翔太。
どくん、どくん。
さっきとは違う、心臓の音。
あったかくて、うるさくない。
「まい…ごめん。何でもするから
全部話すから、どこにいるか教えて…」
「しょーた。会いたいよ、翔太に会いたい」
何も考えず出た言葉
きっと素直に、翔太に言えた
最初で最後のあたしの気持ちだった。
「もしかして、海?」
「…うん。」
「すぐ行く。切らないで」
バイクのエンジン音。
翔太の音。
ブンブンブンブンブン
翔太が海につくまで、
翔太は謝り続けた。
何に謝ってるのかわからないくらい
ひたすら謝っていた。
あたしは、
うん。うん。って
ひたすら頷きながら許していた。