depend

タッチ操作のロック。
指をコの字にスライドする。



ああ。


解除できてしまった。

なんてあっけない、鍵なんだろう。

こんなにもスムーズに、
開けられる鍵。

lineにも鍵はかけられているけど、
あたしはその番号を知っている。

亮太が前に

「俺誕生日とか覚えるの苦手だし、
忘れない為に
まいの誕生日lineのパスにしよー」

って言っていたから。

違ったらいい。
嘘であったらいい。
あの時喜んだ自分が可哀想であってもいい。

鍵が、開きませんように。

0
8
0
1


4桁を入力する

lineが開かれる。
lineの、鍵が、あいてしまった。

もう、

迷わなかった。

隣にいる亮太を見つめる
安心しきって、眠る亮太。

ごめんなさい

手を繋いでみる

起きない亮太に、
口に出す

「ごめんなさい」

あたしのlineのやりとりの下に

アイコンが自撮りのlineがあった。

見える画面には、

会いたかったよー(´;ω;`)

黒い、真っ黒な感情が沸く

自分の立ち位置が
分かっていなかったわけじゃない

浮気に、不倫に
2番とか順番はなくて
奥さんとあたしだけ。
そんなルール、
他に相手を作る時点で存在するわけなかった。


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