depend
翔太
冬が終わって高校にあがった
当然のことのように翔太と同じ高校に。
同級生は
とても子供に見えた。
みんながワクワクしている新生活
あたしには孤立感しかなかった。
誰もあたしには話しかけてこなかった
中学が一緒だった子たちも
あたしに話しかけることはなく
あたしもそれでよかった。
翔太はあの事件からあたしに対する態度が変わった。
あたしも変わった。
喧嘩が増え、暴力がはじまり
典型的なDV
暴力が終わったら泣きじゃくり謝ってくる。
守ってくれていた翔太は
あたしが守らなければならなくなった。
"悪いこと"は、あたしはしなかった
翔太はやめれなかった。
あたしは翔太にやめてほしくて、
常にそばにいた。
そばにいたからなのか、
隠れて、する。
そばにいないと、
いないからする。
すべてが悪循環になったのかもしれない。
慣れは怖い。
あたしも
あー、またやったんだな。
ってはじめのような悲しさも怒りもなくなった。
それでも
翔太がもがいていたのは
わかっていた
友達を切り、
あたしと一緒に暮らすために
バイトを増やし
学校はたまに来て
来てもほとんど寝ていた。
あたしも離れたくなかった
家は嫌いで、友達もいない
翔太しかいなかった。
あたしもバイトを始めた
一緒に暮らすために。
居酒屋での、バイトだった。
一緒なバイト先だった。
シフトも合わせた。
普段の彼は
束縛はそこまでひどくなく、
穏やかだった。
悪いことをしたあとは、
すごくネガティブで
あたしの携帯を取り上げ
チェックしたり、
誰にも連絡とれないように
隠したりもした。
あたしには、それが普通で
やましくもないし、
携帯がなくても困らなかった。
それで翔太が安心するなら、
あたしも安心した。
依存なんだと思えば思うほど
離れられなくなった。