depend

一緒に住んでからは
ごはんをあたしが作って

「うまい!」

って、食べる翔太をみるのが
一番の幸せだった

学校に、翔太は行かなくなった
本格的に仕事を始めた。

外仕事で、夜も週3であたしと
バイトに行っていた。

あたしは学校には行っていた
本当は行きたくなかったけど、
翔太にお前は
卒業しろって言われたからだった。
ちっちゃな、幼すぎる動機だった。


あとから、
一緒に暮らすために
あたしのママから出された条件だったと
ママから聞いた。

そんなことはあたしにはなにも伝えず
毎朝バイクで送ってくれた。


悪いことをやめたあとは
昔の知っていた彼のように
優しかったし頼りになる存在になっていた

新しい友達も作って、
共通の友人になった。


あたしの、見えていた部分では
翔太は変わり、
全てがうまく行っていたようにみえた。

喧嘩ももちろんあったけど、
すぐに仲直りし、
笑って朝を迎えていたし
疲れている彼を、あたしは
いたわっているつもりで、
優しさに甘えきっていたような気がする。


人は、無理に変わろうとすると
とてもストレスをかかえ、
自分が犯した罪なりに
変わろうとすればするほど
罪悪感につぶされそうになる。

18だった彼にはもっと難しかったはずで。

あたしは本当に何もわかっていなかった。
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