depend
終わったあとに、
「おれ、翔太も好きだし大事で。
…こんなことするつもりもなくて、ただお前と話したかっただけで。…今日のことはなかったことにしよう。」
あたしは卓也を見ずに
「最低だね、ゴミだね。消えて」
と言った。
卓也に
そして、あたしに。
「ごめん」
と拓也は出て行った。
拓也が出てってから
なにもできず、
ただ時間が過ぎた。
真っ暗な中、
ただ翔太のことを考えた
「ただいまーっ、つっかれた。
って寝てんの?」
暗い部屋の中彼があたしの姿を探す
あたしは答えられない。
「まーい」
電気をつけ、床に寝ているあたしを
見つける
「どした?熱??」
あたしを起きあがらせようと、
あたしに触る感触が気持ち悪くて
同時に愛しくて優しくて
なんで裏切ったの??
言いたいのに言えず
あたし、浮気したんだよ
言ってしまいたいのに言えず。
「飯、なんか食いに行く?
気力ないかー。チャーハンでい?
あ。熱ならおかゆかー笑」
と抱きしめる腕が、
優しくて
翔太に抱きつくことしかできなかった。
「翔太。あたし翔太がいなくなったら死ぬのかな?」
ふと、浮かんで出た言葉だった。
「死ぬんじゃない?俺はお前がいないと死ぬと思う、まじで笑」
そっか、あたし死ぬのか
当然だと思った。
それが息をするのと同じくらい
ふつうのコトのように感じた。
結局、
みきのことも、
あたしの浮気の事も
言えずにその日が終わった
だけどその日からあたしは
翔太に触れられると
蕁麻疹が出るようになった。
翔太の目を見れなくなり、
話そうとすると動悸がし、
耳はずっと耳鳴りがした。
翔太は心配していたけど、
何日も続くと物に当たるようになった。
それが怖くて過呼吸を起こし、
翔太はそんな自分にあたるように
壁を殴ったり頭を打ち付けていた。
ふたりしかいない世界で
それはあまりにも悲しい世界だった。
別れるとかそんな選択肢はなくて
終わりだった。
どうしたら、前のように
戻れるのかあたしにも翔太にも
わからずふたりで壊れていった。