depend


あたしは学校にも行けず、
ほとんどなにも食べれず、
お風呂には翔太がいれてくれた。
お風呂に入ると、
翔太に触られる部分に浮き上がる湿疹。
黙って薬局で買ってきた薬を塗ってくれた。

別々に寝て、話もしない。
あたしの浅い睡眠で
何度か目覚めるときに
翔太はいつも泣いていた。

10日ほど経った頃、
ママが迎えに来た。


あたしは翔太が何度も
病院に連れて行こうとするのを拒否した。

理由もわからずただただ、
首を振り反抗した。

なのにママの車には素直に乗れた
病院に行くよというママにも
縦に首をふった。


翔太の姿は、目の下にくまができ、
髪はボサボサで。

あれだけ目を見れずに過ごしたのに
翔太を目で追った。

目があった時には車は
もう動き出したけど
やさしく笑ってくれた

またな

って、言ってくれた

あたしは頷くしかできなかったけど
それでも、笑ってくれた
こたえてくれた。

またな

って言ってくれた。

ばいばいなんかじゃ、
なかった

さよならなんかじゃ、
なかったんだよ。
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