タイムトラベラー・キス
危険なドライブ。
あっという間に外は真っ暗で、いまいちどこを走っているかも分からない。
それでも私は窓の外を見て、早く家につきますようにと願っていた。
車内は小さめの音量でラジオが流れている。時々流れる歌は、高校生の私が好きな歌で、でもそれはこの時代では”懐メロ”扱いされている。
「今日は用事があって、同窓会に遅れそうだったから車で来ちゃったんだよね。でも……車で来てよかったかも」
「お酒が飲めないのに?」
「うん。久しぶりに雫ちゃんとゆっくり話したかったからさ。……二人きりでね」
信号が赤になったとき、彼は私のほうを見てニコっと笑った。
どういう意味でそんなことを言うのだろう。
二人で何を話したいのだろう。
竜見くんの気持ちが分からなくて黙ってしまう。
「……雪ちゃん、元気?」
それでも私は窓の外を見て、早く家につきますようにと願っていた。
車内は小さめの音量でラジオが流れている。時々流れる歌は、高校生の私が好きな歌で、でもそれはこの時代では”懐メロ”扱いされている。
「今日は用事があって、同窓会に遅れそうだったから車で来ちゃったんだよね。でも……車で来てよかったかも」
「お酒が飲めないのに?」
「うん。久しぶりに雫ちゃんとゆっくり話したかったからさ。……二人きりでね」
信号が赤になったとき、彼は私のほうを見てニコっと笑った。
どういう意味でそんなことを言うのだろう。
二人で何を話したいのだろう。
竜見くんの気持ちが分からなくて黙ってしまう。
「……雪ちゃん、元気?」